10年前、京都府京丹後出身のToshiさんは、奥様と2人の息子とともにロサンゼルスから、ハワイに移住しました。そのきっかけはビジネスの立て直しのため、ハワイに送り込まれたことでした。

日本で大学を卒業後、観光学を学ぶために新たにアメリカのサンディエゴの短大に進学しました。その後、日本航空に就職しましたが、生活が苦しかったので、夜にお寿司屋さんでアルバイトをしていた時に、運命的な出会いが彼の人生を変えることになりました。

「 お寿司屋さんでのアルバイト中、お客様と運命的な偶然の出会いがあり、結果的に僕は日本航空を辞めて、その方に誘われて転職しました。それが1983年創業のファイテン株式会社でした。なんとファイテン社社長は、僕と同郷の方でした。」

彼は日本航空から健康関連商品で有名なファイテン株式会社に転職しました。その後、会社でE2ビザを取得し、シアトルの支社に配属されました。

「本社に初めて行った際、『おー、君が野村釣具店の息子か』と言われました（笑）。実は僕の実家は京都で釣具店を経営していたのですが、父親と社長はよく知る仲だったのです。これも何かのご縁だと嬉しくなりました。そして、日本で2年在籍後、アメリカのシアトルに送られました。」

それから彼はアメリカに乗り込み、ひたすらファイテン商品の販売に励みました。彼の持って生まれた販売力とでも言うのでしょうか。彼の人柄もあり、誰もがその商品の虜になってしまうのです。ファイテンUSA社は、どんどんアメリカでの市場を開拓していき、ついにはアメリカのメジャーリーグが公式ブランドとして認めるまでになりました。

「 ファイテンの意義目的は、『スタッフ一同が常にお客様の健康と幸せを願い、ファイテンの技術をもって、世界のみなさまの健康とライフスタイルの向上に貢献すること』ということです。ただただ目の前の方のお役に立ちたい。だから僕がアメリカでしてきたことは、目の前の方々のお役に立ちたいと願いながらファイテンボディケアを続けてきただけなんですよ。」

謙虚さと世界中の人々の健康を願う気持ちから、著者は彼の話に引き込まれました。

Toshiさんは現在、日本のファイテンの正規代理店としてハワイ州を担当している一方で、新たにアメリカ本土への進出をすることになりました。

そして実は、ファイテンの商品だけでなく、ハワイに商品を入れたいとか、ハワイからアメリカ市場に商品を入れたいという相談も受けています。彼はハワイの流通ルートやバイヤーとのコネクションを持っていますし、商品の目利きも得意です。そして何より、商品の特性を把握し、どうすればお客様の為になるかだけを考え続けています。それが、販売力となっています。

「特に営業している訳では無いのに多くの方から『ハワイでうちの商品を売りたいのでプロモートして欲しい。』というお話をたくさんいただきます。」

現在、ハワイのドンキホーテの入口のすぐ横に店舗を構え、スタッフみんなで、毎日お客様にファイテン無料ボディケアを実施しています。身体のどこかに違和感を持っているローカルの人達が、毎日たくさん来て、そして喜んで帰っていきます。これも彼の想いである人のお役に立ちたいという気持ちの実行のひとつです。

Toshiさんにハワイ生活のサイクルを聞いてみました。

「平日は子供たちを学校に送り出し、そのあとランニングをしています。そしてお店は10時オープンなので30分前には出社します。夜は毎日、経営者の勉強会に参加しています。自分で会社を経営していますので、特に休みの日というものがある訳では無いですが、週に１度は家族みんなで食事をとると決めていて、その日は僕が料理をします。実は料理を作るのが好きなのです。というより、料理をしながらお酒をいただくキッチンドリンクが最高に好きなんですよね（笑）」

「 実は中学からギターを始め、高校大学とバンドをやってたんですよ。アメリカのバンドのコピーをしていました。ハードロックやメタル系が大好きで、その時のバンド名は『野村釣具店』 おしゃれでしょ？（笑） ハワイに来た頃にもバンドを組んだのですが、やっぱり仕事優先で続けられませんでした。 ハワイなのにサーフィンもしないし、ゴルフもしません。やるのはランニングだけかな。やっぱり仕事しかしてないですね。仕事が楽しくて好きなんですよ（笑）」

そして、ハワイの魅力について聞いてみました。

「ハワイは素晴らしい気候や自然がありますが、何よりも日本に近いところが魅力です。これはアメリカ本土にいたころから比較すると本当に大きなメリットです。日本の文化や日本食もあります。そして何よりハワイの人たちは日本が大好きだし日本人が大好きですよ。日本人にとってはこんなアメリカはありません。うちの妻が言ってたのは、セブンイレブンにお米が売ってるし、おにぎりも買える。英語が話せなくても、日本人の話す英語でも誰もがちゃんと聞いて答えてくれる。本当にハワイは素晴らしい場所です。」

そして、彼の夢について尋ねました。

「仕事でもプライベートでも夢はただひとつ『一人でも多くの人を幸せにしたい！』 それを、今後も、うちのスタッフみんなと一緒にずっとやっていきたい。そして、ハワイ、アメリカだけでなく、世界の皆様のお役に立ちたい。これが僕の夢です。この先もファイテンを軸として、様々な形で、一人でも多くの方々のお役に立てることをやり続けたいです。」

「今年から、アメリカ本土への進出が始まり、ラスベガスと、ハワイとの行き来になっています。将来は、ハワイとは限らず、自分が必要とされるところに、長く滞在することになるかと思われます。あと、最後は日本がいいですね。日本が大好きだし、僕の故郷に恩返しをしたいという気持ちがありますので最後は日本の故郷 京都にいたいと思います。」

これからハワイライフを実現したい人へのToshiさんからのアドバイスは、「アドバイスなんておこがましくてできませんよ。強いてあげるなら、もしハワイに住むことができたら、とにかく感謝の気持ちを持ち続けて欲しいです。ハワイに住まわせてもらえていることに。そして、その感謝の気持ちを最初だけではなく、ずっと持ち続けて欲しいです。」


Toshiさんからのアドバイスは同感の一言でした。人は慣れる生き物だし無い物ねだりもする。今持っているものが素晴らしいものでも、慣れてしまうのですよね。 キラキラと輝く海や太陽、ヤシの木陰の心地よさも。 あんなに望んでいたハワイライフも手に入れて時間が経つと、そういう気持ちも忘れがちになります。著者は改めて、最初に感じた思いを意識し続けることが、とても大事なことだと再認識しました。

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