◆特徴
・日本でいう株式会社に近い形態（C-Corp、S-Corpの形がある）
・経営と所有が分離され、株主・取締役・役員で構成
・法人として独立した存在として認められる

◆メリット
・株式発行による資金調達が可能で、投資家からの信頼も高い
・オーナーが変わっても法人は存続できる永続性
・大規模展開や上場を視野に入れる場合に有利

◆デメリット
・設立や運営が複雑（年次報告、取締役会、議事録などの義務あり）
・C-Corpの場合、法人税と配当課税の二重課税の可能性
・フォーマルな運営が必須で、事務負担が大きい

◆こんな方に向いている
・外部投資家を迎えて大規模に事業を拡大したい
・日本法人の子会社としてハワイで法人格を確立したい
・信用力を重視するビジネスモデル（金融、不動産、大企業取引など）

柔軟さとスピード重視なら｜LLC（Limited Liability Company / 有限責任会社）

◆特徴
・法人とパートナーシップの中間的性質を持つ柔軟な形態
・所有者は「メンバー」と呼ばれ、役員や取締役会は不要
・比較的シンプルな運営が可能

◆メリット
・設立・維持コストが低く、運営が容易
・利益はパススルー課税でメンバーの個人所得に直接反映（法人税を回避）
・オーナーは有限責任のため、個人資産が守られる

◆デメリット
・株式発行ができず、大規模な資金調達には不向き
・外部投資家から見た透明性が低い場合がある
・メンバー間の契約や意思決定に柔軟さがある反面、ルールが曖昧になる可能性

◆こんな方に向いている
・個人事業主や少人数でのスタートアップ
・現地のスモールビジネス（飲食、観光サービス、物販など）
・素早く事業を立ち上げて市場に出たい起業家

選び方の目安｜あなたの事業に合うのはどっち？

• 小規模・少人数・スピード重視 → LLC
• 投資家参入・大規模展開・信用重視 → INC
• 日本法人の子会社設立 → INCが有利

特にハワイでのビジネス進出を考える場合、日本からの投資や企業提携を前提にしているなら、信頼度の高いINCを選択するケースが多くなります。一方、現地での飲食店経営や物販など、ローカル市場での小規模事業なら、手続きが簡単で税制メリットのあるLLCが適しています。

注意！会社設立＝就労・居住許可ではない

ここで誤解されやすいのが、「ハワイに会社を作れば、そのまま働ける・住める」という考え方です。
アメリカでは会社のオーナー（出資者）と現地で働く従業員は法律上別扱いです。

ハワイで実際に働いたり住むには、E-2投資家ビザやLビザ（企業内転勤）などの就労可能なビザが必要です。会社設立そのものは観光ビザでも可能ですが、それだけでは合法的な労働や長期滞在はできません。

成功するために欠かせない“現地専門家”の存在

ハワイは日本人にとって親しみやすい土地ですが、あくまでアメリカ合衆国の一州であり、法律や商習慣は日本と異なります。契約書や登記、税務申告などは、ハワイ州の法律に精通し、日本語で対応できる弁護士や会計士を必ずパートナーにすることが重要です。

ビジネスの形態選びは、単なる形式の違いではなく、将来の成長戦略や資金調達、税務計画に直結します。正しい選択をするためにも、早い段階から専門家に相談し、自分の事業モデルに最も合う形態を決めましょう。

ハワイでの会社設立は、移住や2拠点生活、海外ビジネス進出の大きな一歩です。
INCとLLC、それぞれの特性を理解し、自分の事業のゴールに合わせた選択をすることで、ハワイでのビジネスをより安定的かつ持続的に成長させることができます。

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